
「生活を紡ぐ」「言葉を紡ぐ」という言葉があるように、糸を紡ぐときに、その糸を日々の生活や人と人との関係に喩えたくなるときがあります。そして紡がれた糸は編むことによって、もっとしっかりしたものになります。
2008年という年は、私と私の家族にとって大きな変化の年になりました、妹が嫁ぎ、弟は大学を出て街を離れます。以前、家族全員に服をつくろうと思い立ったことがあったのですが、好みも違うし…とか、時間がないし…とか、いろいろ言いわけをして、結局小物数点をつくって終わってしまったのでした。でも今年で今の生活がなくなってしまうと気づいて初めて、やっぱりもう一度つくろう!と決めました。
「想い」がないと、その人が喜んでくれるような服はつくれません。今回をきっかけに、今の家族への「想い」を伝えられたらと思いました。そしてそれを見てくれた人にも、その人とその人の大切な人との絆の深さを感じてもらえたらと思い、写真に収めてひとつの作品にしました。
つくっている最中や、できてからも、自分の「想い」というものが足りないと感じることは少なくありませんでした。考えているようで、考えていられなかったことがたくさんで。気に入ってくれるかなぁという不安と期待で撮影を迎え、そして家族もきっと何を着せられるんだろうかなんて、いろいろ思いはあったと思います。でもいざ撮影となると、いつもの家族の雰囲気でした。私と私の家族しかつくれない作品になりました。
大切な人を想ってつくることは、私の原点です。
